これは、宮城県村田町で三百年あまり酒を醸してきた蔵「乾坤一」に発し、仙台城下の呉服商、フランスの天文学書を訳した学者、月のクレーターに名を残した天文学者、シベリアから生還した地質学者、そして海を渡った教育者へと続く、ひとつの家族の系譜の記録です。大沼・池上・平山・成沢――四つの家の三百年を、一冊の冊子とオリジナル資料にまとめました。
序章から資料編まで全23ページ。母方の本流――村田の大沼本家「乾坤一」から、母・光子まで――を一本の道として辿ります。ゆかりの地(村田・芭蕉の辻・野蒜・富山)、星をめぐる縁(十太郎とチセ・平山清次)、玄能石を究めた祖父・池上茂雄と晩年の北広島の家、一族の群像(図南社・丸菱倉庫・『大地の子』ゆかり)、家系図二葉、地図、年表。写真は出典を明記しています。
母方の三百年に、父方の物語が合流します。父・成沢義雄の家系は、出羽国・いまの山形市南に築かれた山城成沢城にさかのぼると伝わります。最上氏の一族が一三八三年に築き、地名(もとは大雨に沢が鳴る「鳴沢」)を名字とした成沢氏。その末に、伝説の武将・成沢道忠(家では長く「忠道」と伝わった人)。一六二二年の最上改易で城を失った一族は、庄内・鶴岡大山の地に移り、「百姓兼田舎侍」として生きたと伝わります。幕末の成澤勘左エ門から、雪深い札幌・苗穂に生まれた八人きょうだいの七男・義雄まで――その長い道のりを、別冊『北方の譜』にまとめました。








二〇一四年十月、家族に柴犬の茶子が加わった日の記録。(WEB版だけの収録。家蔵の家庭内動画)